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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第10章 破棄の約束



 "ガチャ……"



彼奴から解放されて、フラつきながらも家には帰って来たケド………



(まず洗い流したい)



彼奴の残滓が気持ち悪い、胎内に残ってると思うだけで吐き気がする。


真っ直ぐ風呂場へ……


そこの鏡で見た‥此奴が付けた首の締め痕。



「・・・うそ・・・」


こんなにハッキリ残るくらい、締められたんだぁたし…
片手で締められた筈なのに、真っ赤になっている。



「・・このままじゃ‥殺される・・・・・」


誰に言うワケでも無いが、勝手に言葉が出る、それだけ彼奴の行動が怖かった証拠。



(兎に角シャワー…
温めたら少しは薄くなるかな……)



服を脱いで、また惨めな気持ちに…
椅子だったせいで、背中には新しい痣は無いが、前は傷だらけ、しかもところどころ血が出て乾いた場所も……


それを見て、うなだれたままシャワーへ…



「くっ…ひくっっ……」


シャワーの音に紛れて泣くのは何時もの事、此処しか泣ける場所が無いから。


手一杯お湯を出して、嗚咽を漏らしながら啜り泣く、傷が染みるのにはもう馴れた、でも泣くのだけは止められない。


誰も入って来なくて、誰にも知られない場所で、1人悔しさと惨めな最低なぁたしに泣く事を許す。



今日は、それを見ている者が居るとは気付かないで・・・・・









「・・・・・・」

「・・・・・・」


見ていたのは……



倉原貢に妻の薫…


最近の美紀の変化に心痛め、夜外出して帰って来る時間を見計らって、居間で待機していた。


18才の誕生日の後、すっかり変わってしまった美紀だが、この数ヶ月の状態は異常を極め、夫婦共にどうにか話が出来ないかと模索していた。


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