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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第10章 破棄の約束
まさか、美紀があそこまで追い詰められていたとは……
『殺される…』
そう美紀は言った…
それに、身体中のあの傷痕、客観的に考えても誰かに脅迫されてるか強制され、身体の関係がある‥少なくとも美紀自身の意志では無く‥だ。
「・・あなた……」
「ああ………」
今、美紀に見付かると、やはり良い顔はされないだろう。
そっと風呂場を後にする貢と薫・・・・・
居間は美紀が通る事もあるので、普段から美紀が近寄らない夫婦の寝室まで戻って来た。
「まさか‥あそこまでだったとは……」
「食事もほとんど取らないんです…
このままでは美紀は本当に…」
「馬鹿を言うもんじゃない」
心配する薫には、気休めの言葉だと分かっている、だが何か言わないと、薫は直ぐにでも美紀の元に飛んで行きそうで…
「私達は‥美紀に遠慮し過ぎたのかも知れない…
実の親子じゃないと分かっても、普通に接していれば、こんな事にはならなかった」
「あなた……」
拒否をした美紀に、私も薫も気を使う日々、そして美紀は早乙女すらも拒絶した。
そんな美紀に掛ける言葉が見つからなく、今まで来てしまったが、このままでは本当に美紀を失いかねない‥美紀を脅している奴にだ!
「私達では、何も美紀の手助けは出来ないんですね…」
「悔しいが、ああまでなってしまった以上、私達が犯人を探しても無駄だろう」
「ですが……」
心配そうな薫の眼差し、実の親子で無くても、美紀が私達に心を開かなくても、ずっと親子としてやって来たんだ。
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