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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第10章 破棄の約束
医者に通っても子供が出来なかった私達夫婦、それが18年前偶然にも養女の話。
事情があり、18年後返す事になっても、私達は喜んで養女縁組の話を受け入れた。
待望だった幼子、私達‥特に薫は大切に大切に美紀を育てた。
美紀が中学を卒業するまでは、仲の良い家族だったと思う…
休みの度に美紀を連れ遊びに行き、美紀も私達に何でも話し……
それは、美紀が私達を実の親だと思っていたから。
本当は18才になるまで、この話は伏せて置くつもりだった、18と言えば分別も付く年頃、その時にじっくり話し合おうと思っていた。
だが、16才にならないうちに秘密はバレ、美紀は頑なに心を閉ざして…
後数年猶予があったならば‥今更こんな事を考えても致し方ないが……
「・・私は・・早乙女に会おうと思う」
「でも、それは!」
薫が驚くのも無理は無い…
18年前、私達と早乙女で交わした約束……
『美紀の為に距離を置く』
それが早乙女と交わした約束。
公私共に仲が良かった、早乙女との決別。
それから18年、私は早乙女に会っていない、全ては美紀が早乙女の娘だと気付かせない為、私と早乙女はそれに同意した。
だが、こうなってしまっては私達では手に負えない、ただの会社員の私では、犯罪者を追うなんて事は無理に近い。
早乙女ならば??
会長となった早乙女なら、もしかしたら美紀に付き纏う犯罪者を追えるかも‥それが今の私達に出来る最善の方法。
「近い内に早乙女と会うよ、個人的な連絡先は知っている…
早乙女も美紀の為なら動くだろう」
約束を破棄しても、美紀の命の方が最優先、そう私は覚悟を決めた。
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