パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第11章 旧友との会合

"プル‥プル‥プル………"



電話？？


だが、この音は……


夕方のひと時を、私室で過ごしていた私に舞い込んで来た１本の電話。


この音はプライベート用の携帯音、ほとんど人に教えていない筈なのに…


使う事が少ない携帯は私室の端に置きっ放し、徐に携帯を持ってサブパネルを見れば……



「倉原？？」


確かに倉原には、この番号を教えていたが、何故今頃？？


ともかく、倉原なら出ない訳にはいかないだろう。



「・・もしもし……」

『すまない、急に連絡して…』

「いや構わないが、何かあったか？？」


緊急の場合の為に、倉原には連絡を取れるようにはしてはいたが、本当に掛かって来たのは初めて。



『・・会えないか…
約束を無視する事になるのは分かっている、だがそれよりも大切な事もある』

「・・美紀の事かい？」

『ああ……
相談と頼みがある』


余程の理由が無ければ、倉原が私に連絡して来るとは思えない。


それに‥美紀の事で相談と頼み…
倉原の切羽詰まった声からして、美紀に何かあったのは確か・・・



「分かった、屋敷で良いかい？」

『屋敷で構わないのか？』

「他の場所よりも、屋敷内の方が余計な耳は無い」

『そうか……
では明日の夜でどうだ？』

「ああ、不都合は無いよ、夜は開いているからね」

『では、仕事が終わったら寄らせて貰う』

「待っているよ…」


重要かつ簡単な言葉だけで、電話は切れてしまう。


元々、そんなにお喋りの方でも無かった倉原だが、思い詰めている雰囲気で、更に口数が少なかった。



・