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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第13章 交差-人間模様
だからこその、午前中のこの時間はスーツ姿だというのに…
まあ‥多少通信回線を使った画像通話もあるので、この姿は欠かせない。
全く表に出ないとは言わない、必要最小限くらいは表に顔を出している、そんなに多くは無いが……
「今日上がって来ているのは、これで全てかい?」
「はい、週明けですので本日は少なめです」
「そうか・・・」
少なめと言うだけあって、こっちは殆ど終わっている、後はモニターの方に目を移して、随時更新される情報に目を通す程度。
そうなるとまた考えてしまう…
我ながら困ったものだ。
美紀の方は、今打てる全ての手は打っている、これ以上私が出来る事はあるだろうか??
(それに・・・)
気掛かりと言う程でも無いとは思うが、少し前にアトリエを覗き込んでいたあの少女。
美紀の調査報告の写真の中に、良く写っている子だった。
随時長くアトリエの前に居たので、こちらの監視カメラにも写り…
少々気になったので、私自身が店の前に出た。
『・・・
倉原美紀って子が、此処に来た事はありませんか?』
あの時、私は答えに躊躇した…
はっきり答えて良いものだろうかと……
そして、可もなく不可もなくの答えてを返して…
はっきり答えてあげた方が良かったのだろうか?
随分気落ちした少女の姿、だがアトリエまで見付けて来たのであれば、美紀が何か言ったのか??
そこに確信が持てなく曖昧になってしまったのだが、答えていれば何か変わったのか……
少女が何を考えアトリエに来たかは分からない、あの様子からして、必死に探していただろうは想像付いたが、答えられなかった。
鍵は桜が持っていたと、気付けなかった紀永…
全てが交わるのは‥まだ先の事らしい・・・
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