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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第13章 交差-人間模様
「確かに止めましたが、そろそろ良い頃ではないかと……」
「いや、時間が経ったからこそ、会うべきでは無いと思う…
そもそも、一番初めに美紀の心を崩したのは私だ、心的不安になっている今、私が出たら余計に負担になってしまうだろう」
「・・そうでしょうか?」
「??
どういう意味だい?」
「美紀様の心の内はどうなのかと…
あの日の後、まるで忘れたいが為に行動している‥私にはそう思えました」
「・・・・・」
忘れたいが為……
それはそうだ、親子で一線を超えてしまったんだ、忘れたい‥そう思われても仕方ない。
「私が言う忘れたいは…
会長への恋心を忘れたいが為に……
あえて、あんな行動を取ったのではないか‥勿論私の推測の域の話です」
「意外だね、伊織からそんな言葉が出て来るとは思わなかった」
「いい加減大人です私も……」
「それは勿論分かっているよ、彼女の1人や2人居てもおかしくは無い、伊織ならモテるだろう」
「勘弁して下さい…
彼女なんて居ません、そんな暇はありませんので…」
「それもそうだ…
では、たまには休暇をあげるから、じっくり探すのも良いよ」
「・・この一件が片付きましたら考慮します」
この真面目さは誰に似たのやら…
間違っても、早乙女系で無いのは確かなようだ。
"ブーブー"
ん?
伊織の内線用の携帯の音か??
「はい…
………ええ……そうですか、ではそのように先方にも……」
電源を切った伊織は、多少渋い顔。
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