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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第2章 衝撃的な出来事
そんな事を逡巡と思っている内に、重厚な扉の前に立つ私…
"コンコン"
遠藤さんが扉をノックする。
「会長、美紀様をお連れしました」
「入りなさい……」
中から声が聞こえる、若いような、よく分からないような声に私は戸惑う…
遠藤さんが扉を開けて、私を中に入れてくれる…
だが遠藤さんは入らず、そのまま扉は閉められた。
広い部屋……
会長の私室なのかな?
物はそんなに多くは無いが、大きな窓ガラスに広い机が目立つ。
恐る恐る一歩を歩く私、一歩近付く度に人影がはっきりして来る、一歩…また一歩…私は少し震えながら前へと進む……
大きな机の前で私は止まった、逆光ではっきりしない姿、だが背が高く細身なのは分かる。
「・・・
君が美紀かい?」
「は…はい……」
???
不思議と聞き覚えがある声??
向こうも何かを感じたらしく、立ち上がり私に近付いて来る。
段々と逆光から姿がはっきりして来て…
その姿を見た瞬間、私の身体は石のように固まってしまった……
「う…うそ……」
目の前に現れたのは、髪を上げてスーツ姿の季永さん……
「…美…紀……」
向こうも驚いている…
「季…永さんが……実の…父親……」
「美紀…私は…」
私の側に立つ季永さん…
いや違う、早乙女会長…
「すまない…
名前を聞いた時まさかとは思ったが…こんな事になる…なんて……」
私は季永さんに、ただ美紀としか名乗っていなかった。
「季永さんが…」
「本当は早乙女紀永…
美紀と言う名前は私が付けた……」
私と同じ字…早乙女紀永…
「父親…だったなんて…そんな……嘘………」
身体が震える、私は実の父親と…
それは罪…絶対にしてはいけないこ…と……
私達は…それを……してしまった………
「美紀…
確かに私は美紀の父親だ…
けど……」
此方に伸びる手に、反射的に私は一歩後ずさる……
「いや……」
「…美紀……」
「いやぁぁぁーーーーー!!」
両耳を手で塞ぎ、目を瞑りその場に座り込む私…
この時、確かに私の中の何かが壊れた瞬間だった・・・・・
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