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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第16章 平穏と秘密
前で紀永がミニバイク、後ろでぁたしがマウンテンバイク。
距離があるから、通路と言っても何となく風を感じて心地良い。
それにしても‥紀永バイクなんて乗れたんだ、結構何でもやるなぁ……
周りが思っている早乙女会長とは、イメージが全然違う…
気さくで優しくて、何でも出来て体力的にも鍛えてる。
ホントの紀永を知ったら、驚くんだろうなー
絶対別人だもん。
ぁたしは表の早乙女会長としては、あまり会う事は無い…
ただ、何度か執務室に顔を出した程度だけど、話し方といい貫禄といい、今と別人と思える程にかけ離れてる。
でも、どっちも紀永は紀永、そう割り切る事は出来てる‥中身は変わらない‥紀永が言った言葉。
確かにその通り、紀永は1人しか居ないんだから。
とりとめなく考え事をしていたら、屋敷の方に着いちゃった。
マウンテンバイクを止めて、扉から屋敷に入れば、遠藤さんが待ち構えていた。
「お帰りなさいませ…
会長、急ですが話が入って来ているのですが……」
「急ぐのかい?」
「出来たら…
話だけですので、着替えは不要です」
「分かった…
美紀、後で……」
「あ‥はい………」
紀永は遠藤さんと行っちゃった…
やっぱり‥こっちに戻って来たら仕事があるよね、それは仕方ない事だもん。
日本有数の大企業、早乙女グループの会長。
やっぱり午前中だけと言いながら、ちょくちょく午後からも仕事が入る時がある。
「うん、大丈夫・・」
先程の余韻を少し残しながらも、ぁたしはプログラムの続きでもと、紀永の私室へと向かった。
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