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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第19章 動く光と影
手の中の電源の切れた携帯を、コロコロと手の中で転がす……
やっぱりガッコはちゃんと行きたい…
授業というより、桜達に会いたい。
新しい番号を送ったのに、桜からの連絡は無い、入院中だと気を使っているのか、別の理由なのか‥掛かって来ない分ぁたしも掛けにくい。
(結局、八方塞がりってところは変わらないんだよね……)
紀永にバレていたのは予想外だったケド、これは仕方ないと諦めて、最善策を見付けなきゃ…
でなければ、何時かは確実に追い詰められる、追い詰められたらぁたしは終わり。
此処に来て、だいぶ冷静に考えられるようになった、でも彼奴の弱点が見付からない。
「・・・はぁーー」
いけない‥つい声が出ちゃった。
寝てる紀永を起こしたくない、このままパソコンか向こうの部屋に行こうかな??
そう思い、ベッドから立とうとした瞬間………
「・・・・・!!」
紀永に後ろから抱き締められた!
「・・・
今日は随分長い時間考え込んでいたね……」
「・・気付いて……いたの??」
「ああ…
少し前から気付いていた……」
「・・・そっか・・・」
気付かれてたんだ…
でも、ずっと寝たふりをしててくれた…
多分‥紀永なりの気遣い。
「・・・携帯・・・」
「えっ!?」
「携帯見せて…
悪いようにはしない」
「でも……」
「大丈夫‥私に任せて……美紀?」
「・・・・・」
何を‥考えているんだろう……
紀永はそっとぁたしの手を包み込み……携帯がぁたしの手から紀永の手に………
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