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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第19章 動く光と影



流石に今日は見ていられなかった…
だから、ベッドから立とうとした美紀を止めた‥見ている方も辛過ぎる。


美紀はずっとこうして、暗い表情で考え続けていたのだろう、倉原の家に居た頃から。


此処まで深く思い詰めていれば、拒食症にもなる筈だ、美紀自身気付いてはいないが、思い詰める集中力もまたとんでもないものがある。


集中力が悪いとは言わないが、良い方にも悪い方にも作用してしまう…
こればかりは、自分でコントロールは出来ない‥無意識なのだから。



「大丈夫‥私に任せて……美紀?」

「・・・・・」


そっと手を包み込み…
私は美紀の携帯を持った。


そのままベッドから降り、部屋の電気を付けると、改めて美紀の携帯を開く。



「・・なにを……するの??」

「ちょっとした反撃だよ」

「反撃??」

「そう……
流石に今回ばかりは、私も黙ってはいられない……」

「紀永‥まさか!?」


美紀は私がこれからやろうとしている事に気付いたよう‥だが私は止める気は無い。


此処まで自分を追い詰める美紀を見ていられない、ならば私が動こう‥躊躇わないと決めたのだ。



開いた携帯の電源を入れる…
初期起動が終わった瞬間に、着信のお知らせの文字。


受けて見れば、やはり相手は吉田春夫…
一度美紀が消したらしく、通知は数件‥だがこの時間に数件となると、かなりの数の着信があったと見る。



(全く‥余計な………)



美紀を不安にさせる為、敢えて入れてるのだろう、出ないと分かり切ってるのに、何度も着信になってるのだから。



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