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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第21章 表舞台-晴の日-
「その為にも、直接吉田春夫と対峙するのは必要な事…
勿論、大げさにならないように、十分配慮はするよ‥私達や吉田春夫はともかく、一般の学生や教員が居るのだからね」
「でも‥顔知られちゃう……」
「その逆だよ…
学校という場所は、報道規制がしやすい…
早乙女の名は伊達ではない、それくらいの規制は簡単に掛けられるんだ」
「でもガッコに顔を出すんだから……」
「一部には知られるが、別段構いはしない…
それよりも、吉田春夫を逃がさない絶好のチャンスだと思わないかい?」
「・・・・・」
そっと私の胸に顔を付けて…
美紀が物凄く葛藤しているのが見て取れる。
「ぁたしは……
紀永を表舞台に立たせてまで、彼奴をどうこうしたいワケじゃ無い…
ただ消えてくれたらそれで良い………」
「それで懲りるような男なら、とっくにそうしている…
だがね、あの男は少し脅したところで何も思わないだろう」
「それは………」
「だからこそ、個人的かつ社会的地位全てから引きずり降ろさなければ懲りはしない…
その為には、早乙女の名は一番好都合、権力に弱いタイプだから簡単に落とせる」
美紀が‥ギュッとしがみついて来る………
「それで……良いの………」
「ああ…
私自身が決めた事だ…
心配はいらない‥大丈夫しっかりカタを付けるから、不安がらないで美紀………」
「・・・・・うん………」
気持ちが定まったのか、漸く顔を上げた…
その表情は、まだ揺れているが、瞳の奥に眠る確かな決意。
「紀永を‥‥信じる」
「美紀………」
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