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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第21章 表舞台-晴の日-
「幸せか…
では最後の憂いは絶たないといけない」
「それは……」
この月末と不正騒ぎで、すっかり棚上げになっていたが、吉田春夫に対して1つ良い方法を見付けた。
「此処まで美紀が頑張ってくれたからね、私もなにかしなければ…
良いかい、よく話を聞いて欲しい」
「・・うん・・」
私の本気に美紀は真顔になり、向かい合わせのソファーに座った。
「・・
今月、美紀が行っている学校で式典があるね?」
「う‥うん…
毎年やってるって……」
「早乙女から式典に合わせて寄付を出しているんだ…
だから、寄付と称して私が直接乗り込もうと思う」
「ちょっと待って!
それって!?」
「ああ…
早乙女紀永として、式典の来賓として出席する」
吉田春夫を逃がさない為には、学校内‥それも式典の時が一番適している。
「でも!
紀永が表に出るなんて…………」
「言っただろう憂いは絶つと…
美紀の為‥そして私の為でもあるんだ…
その為なら、表に出る事くらい造作も無いよ」
「でも‥でも‥‥」
動揺している美紀に近付き、そっと抱き締める………
「早乙女会長は謎の人物だと言いたいのかい?」
「それは……」
「嘘では無いがね…
私が表舞台に出ると、周りが騒がしくなる、この見た目に一応独身‥余計なものまでくっ付いて来るんだよ…
だから極力表舞台には出ないようにしていた」
「一応って…
ホントに独身じゃない」
「そこを突っ込まない…
一生独身で結構、美紀さえ居れば……」
「あ・・・」
動揺かと思ったら、次は真っ赤…
相変わらず美紀の表情は、見ていて飽きない。
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