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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第21章 表舞台-晴の日-
「せめて10分は欲しいがね……」
さて、どうしたものか?
元々、8分しかない録画時間、挿入ギリギリで遠藤が仕掛けを作動させた為に、この短時間になった。
そこは遠藤の機転に感謝しているが、例え挿入シーンがあったとしても、使い物にはならなかった、美紀が映るか音声が入ってしまう為だ。
「・・・
まてよ……」
画像を一番始めに戻して……美紀が吉田春夫に土下座している画像。
「・・・なるほど…
これは使えるかな?」
土下座という行動で、美紀が死角になって、3つのカメラどれにも映っていない。
となれば、美紀の音声だけカットし、残りを3点画像をそれぞれ繋ぎ合わせ‥多少同じ場所のリピートにはなるが、数分は稼げる。
後の分はほぼ出来上がっている…
美紀を避けるように吉田春夫の後ろ姿だったり、美紀の上手い機転で、ピンの情けない格好だったりと、上手く編集出来た方だ。
「あの男が話した分は全て使ってあるから、言い逃れは出来まい」
作成した編集動画を見ても、どこにも美紀の美の字も無く、ただ吉田春夫の暴言と行動が映し出されているのみ。
「・・・9分か‥まあ仕方ない…
逆に言えば9分勝負」
出来上がった分だけメモリーに移し、元の動画は完全消去…
万が一もある為、余計な物は残さない方が良い。
「バックアップは…
社のホストが一番か……」
巨大な早乙女グループのサーバー、その中の一部の管理権限を持つ者しか入れない、中央管理のホストシステム。
用は私と数名しか権限が無いので、此処に小さなバックアップを入れても、誰も気付かないだろう。
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