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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第23章 平和な時間の訪れ



一緒に持って来ていた鉛筆を持って…
ぁたしはスケッチブックに絵を書き始める。


紀永は運転席でそれを眺めていて……


ホントにあの頃‥17才のアトリエに通っていた頃に戻ったよう。


うんん…
やっと戻ったんだ、事情は少し変わったけど、あの頃に………


大好きな紀永を隣に感じて、描きたい絵を描いて、大切だったあの時間に時が巻き戻ったよう。


勿論、戻らない事だってある…
親子だって事実、近親相姦という背徳、そしてぁたし自身が起こして残ってしまった背中の傷。


それは消せない事実だけど、今は紀永と恋人同士の甘い時間に浸って、ぁたしは後悔1つしていない。


だって…
一番始めに紀永が好きという感情があるから、それを止める事は出来ないから、ぁたしはずっとそれを貫く‥多分一生。



「おや?
夏の‥海かい??」

「うん、やっぱり夏が好きだから…
それに最後に描いたのも夏の絵だったから、やっぱり此処から始めようって思った」

「そう…
そうかも知れないね、もう一度始めから…」

「うん………」


描いたのは…
夏の空と海、そして砂浜と小さな家。


17才の時にアトリエで描いた物と一緒。


やっぱり此処から始めよう、紀永と2人でならどんな事でも乗り越えられる。



手早く描いたラフ画を横に置き、ぁたし達はまたキスし合う。


2人の誓いのキスのように、心を込めて・・・・・・・・・・







了。
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