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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第23章 平和な時間の訪れ



一通りカメラに風景を写して、紀永が戻って来た…
ぁたしと言えば、紀永が撮影している間、ずっと景色を眺めっ放し。


だって思い出した事があるんだもん。



「寒くない??」

「大丈夫だけど……」

「それでもね……」


紀永が後ろから抱き締めてくれる…
冬の丘の上は人も来ないから、こんな事も簡単に出来るししてくれる。


今日の紀永は、ジーンズに長袖のカットシャツにジャケット姿…
相変わらずラフだけど、一応冬の外という事で、Tシャツは止めたみたい。


背中に感じる紀永の温もりが暖かい…
普通の恋人同士みたいに抱き締めてくれて、今のぁたしは幸せいっぱい。


もう少しだけ、このままで居させて?
その内、ちゃんと紀永に追い付くように頑張るから……



「美紀……」

「ん……」


振り向けば、触れ合う程度の紀永からのキス…
ホントに紀永って甘いし、そういう事が上手い‥でもこれは紀永に言ってあげないよ、ぁたしだけの秘密。



「紀永…
ぁたし1つ思い出した」

「思い出した??」

「うん!」


慌てて車に戻って、持って来ていた鞄から取り出したのは、あのスケッチブック。


今のぁたしは書けると思う…
だって漸く景色が浮かんだから。



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