この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第23章 平和な時間の訪れ
一通りカメラに風景を写して、紀永が戻って来た…
ぁたしと言えば、紀永が撮影している間、ずっと景色を眺めっ放し。
だって思い出した事があるんだもん。
「寒くない??」
「大丈夫だけど……」
「それでもね……」
紀永が後ろから抱き締めてくれる…
冬の丘の上は人も来ないから、こんな事も簡単に出来るししてくれる。
今日の紀永は、ジーンズに長袖のカットシャツにジャケット姿…
相変わらずラフだけど、一応冬の外という事で、Tシャツは止めたみたい。
背中に感じる紀永の温もりが暖かい…
普通の恋人同士みたいに抱き締めてくれて、今のぁたしは幸せいっぱい。
もう少しだけ、このままで居させて?
その内、ちゃんと紀永に追い付くように頑張るから……
「美紀……」
「ん……」
振り向けば、触れ合う程度の紀永からのキス…
ホントに紀永って甘いし、そういう事が上手い‥でもこれは紀永に言ってあげないよ、ぁたしだけの秘密。
「紀永…
ぁたし1つ思い出した」
「思い出した??」
「うん!」
慌てて車に戻って、持って来ていた鞄から取り出したのは、あのスケッチブック。
今のぁたしは書けると思う…
だって漸く景色が浮かんだから。
・