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月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第2章 My Fair Lady
梨央を抱き上げたまま階上の大階段を上がると、梨央の乳母らしき人が慌てて駆け寄ってきた。
「お嬢様!どちらにいらしたのですか⁈お探し申し上げましたよ!」
そして梨央を抱いている月城を見て、不審そうな顔をした。
「…貴方は…?」
月城は挨拶をする。
「本日からこちらでお世話になります月城と申します。
お嬢様が階下に降りてこられたので、お連れ申し上げました」
「ばあや、月城は梨央だけの騎士なのよ」
梨央は自慢げに話す。
乳母は合点がいったように頷く。
「ああ、貴方が…。私は梨央様の乳母でこのお屋敷の家政婦のますみです。よろしくね。…さあ、お嬢様、お薬をお飲みになってそろそろおやすみの準備をいたしましょう。…こちらへ…」
ますみが梨央を抱き取ろうと手を差し伸べる。
梨央は首を振り、月城にしがみつく。
「いや!お薬、きらい!飲まない!」
月城は心配そうにますみに尋ねる。
「梨央様は、どこかお悪いのですか?」
「いいえ…。ただ、お嬢様はお身体がお弱くて、季節の変わり目には必ず、ご体調を崩されるので用心が必要なのです」
梨央が月城の腕の中で愚図る。
「お薬、苦いからきらい!飲まない!」
「お嬢様!我儘を仰ってはなりませんよ」
ますみが厳しく諌める。
また梨央がべそをかきそうになる。
月城は優しく、梨央をあやす。
「わかりました。では、月城もお嬢様と一緒にお薬を飲みます。…それならいかがですか?」
「…月城も?」
「はい。苦いお薬も梨央様の為に我慢して飲みます。
月城は梨央様の為になら、どんなことでもいたしますよ」
梨央は嬉しそうに笑った。
「梨央、お薬飲む。…お部屋に連れていって。月城」
「お嬢様!どちらにいらしたのですか⁈お探し申し上げましたよ!」
そして梨央を抱いている月城を見て、不審そうな顔をした。
「…貴方は…?」
月城は挨拶をする。
「本日からこちらでお世話になります月城と申します。
お嬢様が階下に降りてこられたので、お連れ申し上げました」
「ばあや、月城は梨央だけの騎士なのよ」
梨央は自慢げに話す。
乳母は合点がいったように頷く。
「ああ、貴方が…。私は梨央様の乳母でこのお屋敷の家政婦のますみです。よろしくね。…さあ、お嬢様、お薬をお飲みになってそろそろおやすみの準備をいたしましょう。…こちらへ…」
ますみが梨央を抱き取ろうと手を差し伸べる。
梨央は首を振り、月城にしがみつく。
「いや!お薬、きらい!飲まない!」
月城は心配そうにますみに尋ねる。
「梨央様は、どこかお悪いのですか?」
「いいえ…。ただ、お嬢様はお身体がお弱くて、季節の変わり目には必ず、ご体調を崩されるので用心が必要なのです」
梨央が月城の腕の中で愚図る。
「お薬、苦いからきらい!飲まない!」
「お嬢様!我儘を仰ってはなりませんよ」
ますみが厳しく諌める。
また梨央がべそをかきそうになる。
月城は優しく、梨央をあやす。
「わかりました。では、月城もお嬢様と一緒にお薬を飲みます。…それならいかがですか?」
「…月城も?」
「はい。苦いお薬も梨央様の為に我慢して飲みます。
月城は梨央様の為になら、どんなことでもいたしますよ」
梨央は嬉しそうに笑った。
「梨央、お薬飲む。…お部屋に連れていって。月城」