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いとおしい青
第15章 ブリキの缶
義之が家につくと静まり返っている。

「由貴?」

トイレのドアが半分開いている。
中に由貴がうずくまり吐いている。

「由貴!大丈夫か?」

「出ていって…。」

「あぁ…ごめん。」

義之は玄関で靴を履いて外を出ようとする。

「ちょっと!
どこ行くの?私はトイレから離れてほしかっただけよ!」

「あぁ…ごめん。」

「お帰りなさい。
さっきから同じ返事してるよ。」

由貴はふっと笑う。
由貴は義之をそっと抱き締めた。

「…何があっても義之は私の夫だよ。」

「…ありがとう。由貴は知ってたのか?
俺の母さんと由貴の父さんが不倫してた事。」
義之は不安そうに言う。

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