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新月の闇 満月の光
第2章 貴方の暗闇~真紘の独白~
気を失ったまま眠る結芽を見て、このままでは駄目だと言う事を痛感する。
なにが可笑しくて、何が狂っているのか、狂気と正気狭間とは何処なのか。
俺は亜依を見てて解らなくなった。
そして俺も、今、どちら側にいるのだろうか。
孕んだ狂気で結芽を抱いて、彼女を跳ばしたと同時に正気に返る。
こんな事、許され無いのは解っている。
もう、潮時なんだ。
いい加減、彼女を手放す覚悟をしなければ……。
ただの義兄に、否、赤の他人にならなければ……。
柚芽の未来に、俺の存在は
邪魔になるだけだ。
ただ、先の未来は、俺に楽な道を選ばせてはくれなかった。
どうして未来(さき)は俺に彼女の隣に立つ事を強いるのか。
叶わぬ想いを抱えて、赦されぬ罪を抱えて、彼女と共に生きるのは辛すぎる。