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忘れられない人
第15章 出逢い
ひとめぼれなんだ
俺と付き合わない?

抱きしめながら言った

忘れられる?
まだ、忘れられない人がいるの。。。

ギュッと抱きついて、誠に聞く

大丈夫
忘れさせてやるよ

誠は、私を抱きしめる

少し離れ顔を見る

チュッ
おでこにキスした

詩織ちゃんが俺の気持ちに追い付くまで、待ってるから
今は、おでこだけ。。。ね?

笑った

きっと、笑える
この人といたら、笑える。。。

うん

お返しに、チュッ
唇に触れるだけのキスをした

誠はギュッと抱きしめてくれた

...

朝、メールが届く

起きた?

おきたよ

メールを返す

すぐに電話がかかってくる

おはよう
今日も一日頑張って

えー仕事やすみたいよー
行きたくないー

たわいのない会話をする

帰ったら電話して?

毎日、たわいのない会話の電話をする
甘い言葉も少ない
でも、私を気遣う気持ちは伝わる
少しずつ、好きになっていく

ゆっくり、好きになる

まだ、直樹が忘れられない
駅で探してしまったり
寂しくなる

思い出すのは、甘い思い出だけ

不思議と辛い日は、思い出さない
だから逢いたくなる。。。

考えたくない

忘れたい

まだ、忘れられない

余計なことを考える時間を、誠が少しずつ埋めていく
少しずつ、直樹を考えなくなる

少しずつ、誠が私の時間を浸食する

誠は、優しい
私がわがままを言っても笑う
何でも許してくれる
行きたい場所、食べたいもの

いいよ
詩織のお願いは、みんな聞いてあげたい

私の話をゆっくり、聞いてくれる
誠は、私を甘やかした










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