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第31章 バレンタインデー

もうっ 真剣なんだからっ
また、バカにしてるっ

優しく引き寄せられていく

よかった。。。
詩織が、元気になって。。。
あまり、笑わないから、不安だったよ。。。

抱きついて言う

ごめんね。。。
このまま、聞いて？

いいよ。。。

明後日まで、待ってて。。。

明後日の夜、デートしよ？
それまで、待ってて。。。


ちゃんと向き合いたいの。。。


頭をポンポンする。。。

わかったよ。。。
待つのは、ずっと待ってるから、慣れてるよ。。。

ごめんね。。。

離れて、顔を見る

私の頬を撫でながら聞く

泣いた？

大丈夫よ？
先輩が、抱きしめてくれたから。。。
ふふっ

ありさは、ズルいな。。。
俺も抱きしめてあげたいのに。。。

心が、キュンとする

私が抱きしめてあげるっ

ギュッと抱きつく

待ってて？

わかったよ。。。

髪を撫でながら、抱きしめてくれる

...

金曜日
会社を休み、美容院に行く

本当にいいの？

ハイ
お願いします

髪が、カットされていく
ようやく、胸まで伸びた髪
耳より下くらいまでに、ショートカットになっていく

詩織ちゃん、かわいい。。。
顔が小さいから、似合うね？

美容院のお姉さんが、鏡の私に笑いかける

ふふっ
ありがとうございます

頭が軽い。。。
ショートカットにすると、更に子供っぽいかも。。。

本屋さんに向かう
きっと、いる。。。
そんな気がした。。。

文庫本のコーナー
直樹がいた。。。
この間の続きの下巻を買うか悩んでる。。。

何買うの？
顔をのぞきこむ

詩織？
髪。。。どうしたの？

下巻、買うの？

ああ。。。読んだ？

読んだよ？

髪、切ったの
かわいいでしょう？
ふふっ

ああ。。。意外にショートも似合うよ？


何で？


私、結婚するっ

だから、待たない。。。

また、惹かれても迷わない

きっと、直樹が、ずっと好きだよ？

忘れてあげない。。。


詩織？
いいの？


また、惹かれても、きっと、同じ気持ちになっても、待たない。。。


彼がいないと、私は笑えない。。。

今日、逢える気がしたよ？

だから、逢いにきた
伝えたくて。。。
ずっと好きだよ？
忘れてあげない。。。
ふふっ
じゃあね？

ああ。。。
詩織らしいよ？

好きになった頃の詩織だ。。。

こけるなよ？