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Vesica Pisces
第11章 太陽は静寂に沈む
「ヨユーじゃん」

見下ろす透の拗ねた笑顔が愛おしくなる。

「じゃ、俺のペースでいくから」

「ぇ、ぁっ!ンンッ」

ズッ…と僅かに引き抜かれた後、ぐっと押し上げられる。

僅かな抽送は次第に大きくなり、甘美で淫猥な底へと堕ちていく。

「あっ、あっ…んっ、やぁ…はぁっ…」

突き上げられて揺さぶられる身体はもう、何処もかしこも透に溶けていた。

しっとりと汗で濡れた透の肌がぶつかる度に、火花の様な悦楽が飛び散った。

透にしがみつく事しかできない事がもどかしい。

それでも今は透がもたらす快楽に酔いしれていたい。

破瓜の痛みはとっくに愉悦に塗り替えられて、気づけば透の膝の上で向かい合う形で唇を貪っていた。

透の胸板で双丘が押し潰されて揺さぶられて、擦れる乳首がまた違う快楽を生む。

「んっ、ふっ、ぁあっ」

下から突き上げられると唇がずれ、そこから漏れる吐息が淫猥だ。

時々見下ろす透が、ひどく切なげに歪む表情が艶っぽくて胸が締め付けられる。

「や…たら締めるなっ…て…っ…」

苦悶の表情を自分だけのものにしたい。

拙い口づけに応えてくれる透に全てを明け渡したい。

その奥に嵌って抜け出せなくなりたいの。
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