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Vesica Pisces
第1章 太陽×静寂=99…
この静寂に立つのが最高の快楽––––…
昨日までの霧が嘘の様に澄み切った青空。
アルプス山脈の大パノラマを背に、足下は一面の白銀が広がる。
風の音に耳を澄まし、ゆっくりと瞼を開く。
見えるんだ、一本のラインが。
それに乗った先にあるものを知ってる。
誰よりも速く。
誰よりも高く。
馴染みのクルーに指二本で合図して、風に乗る。
自然と人工の狭間に身を置く快感。
ターンの度にパウダースノーが巻き上がる。
急峻な地形が創り出した天然のジブを次々にクリアし、エアを決める度に高揚感に包まれる。
いつまでも満足できない。
完成しないパズルは無限大にそこら中にばら撒かれている。
次はどれを手に入れようか。
次はどのステージへ行こうか。
次は…その次は…。
何処に居ても一つとして同じ状況はなく、何時だって何もかもあっという間に変わって行く。
じゃあどうする?
さぁ何をする?
一つ失うなら、一つ手に入れる。
いつだって手を伸ばすのは自分自身。
今いる世界をどうとでも変えられる。
気付かない訳がない。
目を開けて。
強く望んで。
もっと貪欲に。
命を燃やし尽くす程の、全てを賭けられるものが此処に在る。
昨日までの霧が嘘の様に澄み切った青空。
アルプス山脈の大パノラマを背に、足下は一面の白銀が広がる。
風の音に耳を澄まし、ゆっくりと瞼を開く。
見えるんだ、一本のラインが。
それに乗った先にあるものを知ってる。
誰よりも速く。
誰よりも高く。
馴染みのクルーに指二本で合図して、風に乗る。
自然と人工の狭間に身を置く快感。
ターンの度にパウダースノーが巻き上がる。
急峻な地形が創り出した天然のジブを次々にクリアし、エアを決める度に高揚感に包まれる。
いつまでも満足できない。
完成しないパズルは無限大にそこら中にばら撒かれている。
次はどれを手に入れようか。
次はどのステージへ行こうか。
次は…その次は…。
何処に居ても一つとして同じ状況はなく、何時だって何もかもあっという間に変わって行く。
じゃあどうする?
さぁ何をする?
一つ失うなら、一つ手に入れる。
いつだって手を伸ばすのは自分自身。
今いる世界をどうとでも変えられる。
気付かない訳がない。
目を開けて。
強く望んで。
もっと貪欲に。
命を燃やし尽くす程の、全てを賭けられるものが此処に在る。