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Vesica Pisces
第21章 …1。
ねぇ、本当にいつか逢える?
何度も確かめるけれど、答えはいつも同じ。
逢えるよ、大丈夫。
あなたはそう言って微笑む。
✳︎ ✳︎ ✳︎
「あい」
人混みの交差点を、名前を呼びながら駆けてくる碧生は周りの視線を引き連れていることに気づいていない。
「衣生は?まだ?」
「おまたせー」
背後からひょっこり顔を覗かせたのは衣生。
「お前、なんだよその髪」
ふわふわの衣生の髪は綺麗な金色になっていた。
「もう冬休みだもん、いーのいーの」
2人の会話をよそに、腕時計を見るとあと2分。
「今日って透来るの?」
「さぁ?航空券買えたら来れるんじゃない?」
きらきらしたイルミネーションを遠くに見ながら、ふぅっと白い息を吐いた。
「こんばんは!今ちょっといい?」
肩を叩かれて振り返ると見知らぬ男の子。
「めっちゃ可愛いよね!めっちゃ目立ってるし!これからさあー…」
「「妹になんか用?」」
2人に凄まれて男の子は何もと苦笑いで離れていった。
さっきより大きなため息が白く尾を引いた。
ふと見上げた広告塔には夜明けだか夕焼けだかの金色の空の写真。
「おまたせ」
何度も確かめるけれど、答えはいつも同じ。
逢えるよ、大丈夫。
あなたはそう言って微笑む。
✳︎ ✳︎ ✳︎
「あい」
人混みの交差点を、名前を呼びながら駆けてくる碧生は周りの視線を引き連れていることに気づいていない。
「衣生は?まだ?」
「おまたせー」
背後からひょっこり顔を覗かせたのは衣生。
「お前、なんだよその髪」
ふわふわの衣生の髪は綺麗な金色になっていた。
「もう冬休みだもん、いーのいーの」
2人の会話をよそに、腕時計を見るとあと2分。
「今日って透来るの?」
「さぁ?航空券買えたら来れるんじゃない?」
きらきらしたイルミネーションを遠くに見ながら、ふぅっと白い息を吐いた。
「こんばんは!今ちょっといい?」
肩を叩かれて振り返ると見知らぬ男の子。
「めっちゃ可愛いよね!めっちゃ目立ってるし!これからさあー…」
「「妹になんか用?」」
2人に凄まれて男の子は何もと苦笑いで離れていった。
さっきより大きなため息が白く尾を引いた。
ふと見上げた広告塔には夜明けだか夕焼けだかの金色の空の写真。
「おまたせ」