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Vesica Pisces
第21章 …1。
みんなの所にもどると、ギャルソンからオレンジジュースのグラスを渡される。
「どうしたの?浮かない顔して」
料理を乗せたお皿を差し出したのは和可菜。
不得意な野菜も乗っているお皿は受け取る以外選択肢はない。
「場違いだなあって」
「そう?気にしすぎよ、そのワンピースもとっても似合ってる」
和可菜に褒められても、素直に喜べない自分がいる。
「何かあった?」
首を振るといつでも相談してねと言い残し、和可菜は万里の元へと戻って行った。
ここにいる人はみんな自分に自信があって、これだって胸を張れるものを持っていて、ポジティブで素直な人たちばかりだ。
「やだな…」
誰かのなにかと勝手に比べて落ち込む。
「透!遅いっ!」
「バーカ、最速だっつーの」
1番近いその人が眩しすぎて、ちっぽけで何もない私を掻き消してしまう。
「あ、い」
「お母さん…お帰りなさい」
『どうかしたの?』
頬を撫でる手の温かさにじんわりと涙が浮かんでしまう。
「なん、でもない…の…」
『大丈夫よ、あいなら大丈夫』
何の根拠もないのに、母は偉大だ。
「伽耶、ほら」
飲み物を差し出す透は、ちらっとこっちを確認した。
「どうしたの?浮かない顔して」
料理を乗せたお皿を差し出したのは和可菜。
不得意な野菜も乗っているお皿は受け取る以外選択肢はない。
「場違いだなあって」
「そう?気にしすぎよ、そのワンピースもとっても似合ってる」
和可菜に褒められても、素直に喜べない自分がいる。
「何かあった?」
首を振るといつでも相談してねと言い残し、和可菜は万里の元へと戻って行った。
ここにいる人はみんな自分に自信があって、これだって胸を張れるものを持っていて、ポジティブで素直な人たちばかりだ。
「やだな…」
誰かのなにかと勝手に比べて落ち込む。
「透!遅いっ!」
「バーカ、最速だっつーの」
1番近いその人が眩しすぎて、ちっぽけで何もない私を掻き消してしまう。
「あ、い」
「お母さん…お帰りなさい」
『どうかしたの?』
頬を撫でる手の温かさにじんわりと涙が浮かんでしまう。
「なん、でもない…の…」
『大丈夫よ、あいなら大丈夫』
何の根拠もないのに、母は偉大だ。
「伽耶、ほら」
飲み物を差し出す透は、ちらっとこっちを確認した。