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Vesica Pisces
第5章 太陽は静寂を焼く
また逢える。
それだけで良かったのに。
会うだけじゃ、それだけじゃ足りなくなっていく。
✳︎ ✳︎ ✳︎
あ…。
約束の場所には嘉登だけでなく、透の姿があった。
二人並んで周りの女の子達の視線を痛いほどに浴びているのに、当の本人達は気にする様子もなく談笑している。
始業間際に来た嘉登からのメール。
“クリスマスプレゼント選ぶの手伝ってくれない?”
いざその場に行ってみると、嘉登と二人じゃない事より透がいる事の方に緊張していた。
「おっせ」
『ごめんなさい』
「お前が勝手に付いて来たくせに!ごめんね、伽耶ちゃん」
嘉登が謝ることなどないのに、伽耶は慌てて手を振った。
さっさと歩き出す透の後を追う。
雑貨屋さん巡りをしている間、透はずっと外で誰かと電話をしていた。
「気になる?」
『つまらないかなって』
「夕方ふらっと来てさ〜伽耶ちゃんとデートだから帰れっていったのに、ごめんね」
三軒目で嘉登はアクセサリーを購入した。
「ありがとう!お礼にご飯奢るよ」
『そんな!大したことしてないのに』
「雑貨屋に男が一人で入るのってめちゃくちゃ勇気いるんだよ、透は?どうする?」
それだけで良かったのに。
会うだけじゃ、それだけじゃ足りなくなっていく。
✳︎ ✳︎ ✳︎
あ…。
約束の場所には嘉登だけでなく、透の姿があった。
二人並んで周りの女の子達の視線を痛いほどに浴びているのに、当の本人達は気にする様子もなく談笑している。
始業間際に来た嘉登からのメール。
“クリスマスプレゼント選ぶの手伝ってくれない?”
いざその場に行ってみると、嘉登と二人じゃない事より透がいる事の方に緊張していた。
「おっせ」
『ごめんなさい』
「お前が勝手に付いて来たくせに!ごめんね、伽耶ちゃん」
嘉登が謝ることなどないのに、伽耶は慌てて手を振った。
さっさと歩き出す透の後を追う。
雑貨屋さん巡りをしている間、透はずっと外で誰かと電話をしていた。
「気になる?」
『つまらないかなって』
「夕方ふらっと来てさ〜伽耶ちゃんとデートだから帰れっていったのに、ごめんね」
三軒目で嘉登はアクセサリーを購入した。
「ありがとう!お礼にご飯奢るよ」
『そんな!大したことしてないのに』
「雑貨屋に男が一人で入るのってめちゃくちゃ勇気いるんだよ、透は?どうする?」