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こじらせてません
第2章 馴致
というより、この女の子はアキラの双子の姉で間違いなさそうだ。そう実感されるにつれ、悪い気分がしないどころか、良い気分になっていった。

「……でもアキラくん、銀座に来るなんて言ってなかったでしょ? 渋谷からわざわざ……」
「え、あ……はい」

アキラは困った顔をして、

「あー、それはですねー」

それからミソラが何か言おうとすると、慌てた。

不世出の少年は、その高潔さゆえに、隠し事ができないようだった。

「……ちょ、姉貴」
「うわー、いつもは『お姉ちゃん』って呼んでるくせに、ミサさんの前でカッコつけてるー。ウケるわー」

そう教えてもらうと、ようやく、ミサも笑った。

「んと、ミサさん、アキラに何かプレゼントしてくれたんですよね? そんで、アキラも何かプレゼントしたいらしく。でも何がいいがわからないから、付き合わされてるんです。渋谷じゃー、ミサさんに合うのないだろってことで銀座です。……でもアキラ? 表参道のほうがよかったんじゃん? サプライズ失敗」

今まさにミソラが失敗を決定的にしたのだが、経緯を聞いたミサは、

「そうだったんだ。ありがとうね。でも、そんなのしなくてもいいんだよ」

我欲に衝かれて、アキラの頭を撫でてしまった。愛玩対象のけなげさに、胸が甘く締まるあまり、ミソラの前だということを忘れていた。

迷惑だったろうか?

「……へー、やっぱつきあってもらってるんだ。よかったじゃん。まー、せっかく会ったんだからさ、デートして帰んなよ」

ミソラが手を振って去ろうとする。

「あっ……」どう呼ぶべきだろうか、お姉さん、はおかしい気がする、ミソラさん、はなんとなく他人行儀だ、山本さん、だとアキラとの区別が紛らわしい、ここはひとつ、やはり、「ミ、ミソラちゃんも、一緒に……」

呼び止めると、ミソラはペコリと頭をさげて、

「弟がカッコつけてるの、姉としては、イタイタしくて見てられませんから。私もこれから彼氏、呼び出してブラブラします。……ふつつかな弟ですが、よろしくお願いします」

笑いながら有楽町の方へと戻っていった。
二人、残される。
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