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こじらせてません
第3章 幽閉
「なんか、ココ、……さわるとぴくぴくする」
「やっ、あ、だ、だって……」
「……もう出る?」

ミサは人差し指と薬指で畝を挟み、アキラがブルッと震えるポイントへ中指の指腹を押し付けた。

布地が湿っている。――こうして、自分の帰還を待っていたのだ。

「そんなことされたら、出ます……」

「出ちゃうの?」ミサは唾液を飲んで息を整え、「そんなんだから、ミソラちゃんにもトモミさんの前でも、出しちゃうの。わかってる? 二度と、しないで」

低い声で言うと、アキラが辛そうに呻いた。

「し、してないです……」
「そうじゃなくて」

ミサは顔を近づけた。前にゴッソリ髪がやってきている。毛先が彼の頬やうなじ、肩口、胸板、いたるところを撫でている。

「もう、私の知らないところで出さないで。クローゼットもあさっちゃダメ。わかった?」
「う、あ……し、してないです」
「返事」
「……っく、……わ、わかり……ました」
「私が『よし』した時だけ」

ミサは鼻先を軽くかじった。
そのまま布地の上から、首周りへ圧をかけると、一度脈動して、新たな露がにじんだ。

「そ、そんな……だ、だってっ……、ううっ」
「こら、出さないの」

間近に広がる少年の表情が、歯をくいしばって、「美しい悶え方」をしている。
しばらく、彼のひくつきが収まるのを待った。

「……ガマンできた? ん、いい子」頬をすり寄せて、「いっぱい練習しようね。アキラくんは、私の言うとおりにしててくれればいいの」

『でも、Aくんは気が優しいので、きっと、お姉さんやお継母さんに、強く言うことができません。

Aくんにとっては、大事な家族だということはわかります。

ですが、そんな話を聞いてしまっては、大事な彼を、変態たちの前に晒しておくわけにはいきませんでした。

私は彼を説得することにしました。』

ミサはアキラの体を押し、ベッドの上へ座らせた。
両肩に手を置いたまま、膝立ちで脚をまたぐ。
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