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薔薇色に変えて
第7章 突然あたえられた二人だけの時間
お待たせしました、とテーブル席の客達にコーヒーを運ぶ。
戻ってきて、カウンターに座る私の隣りに成沢さんも腰を下ろした。

「・・慣れたというより・・受け入れられるようになった、というのが
 正直なところですかね・・わたしはやっぱり・・独りは寂しいです。
 でもここにいるから・・一人じゃない。
 村山さんや・・マスターや三枝さんたちがいる。
 私は・・やっぱり誰かといたい・・私と一緒にいてくれる人がいれば・・」

私は・・彼の隣りに座っていただけなのに、体温を感じた。
柔らかに発する熱を。

・・もしかしたらこの人は・・


私は・・突然のように彼の亡くなった奥さんを思い浮かべた。
会ったことのない、彼の奥さんに、心の中で語りかけた。

・・旦那さんが誰かを求めても・・許してあげられますか?・・・



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