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薔薇色に変えて
第1章 喫茶・薔薇色
父が倒れた時、私には付き合っている男がいた。
職場の同僚、和幸。
同い年の彼と社内恋愛を始めたのは27歳の時。
その直前まで私は、体だけの関係を持つ男と付き合っていた。
付き合っていた、と言っていいのだろうか。
学生時代に知り合って、その頃互いに彼氏彼女がいたにもかかわらず、
一度道を踏み外したら止められなくなってしまった。
それほど彼との体の相性は良かった。
そんな関係を続けながら、私は彼氏と別れ、
彼は彼女と別れて別の女と付き合いだした。
もしかしたら私と・・
ささやかだが期待という綿玉を抱えていただけに、
彼に対する絶望感と執着心は抑えられないほどに心の中で暴れ出した。
荒げた言葉をぶつけ、なじる私に彼はとうとう関係終了と言って幕を下ろした。
私もこれ以上みじめな想いはしたくない、とあっさりと見えるように演技をし、
彼との関係という舞台から降りた。