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薔薇色に変えて
第1章 喫茶・薔薇色
そうやって無理やり悟りを開いて日々を穏やかに過ごしているわけだ。
そんな平淡すぎる毎日の中で、唯一楽しませてくれるのが
「喫茶・薔薇色」なのだ。
小此木さんの淹れるコーヒー、小此木さんから教えられる人生の道、
そして常連仲間の織田さん、桜井さん、三枝さんと交わす
くだらない話から親身な話まで、
私に人の輪のありがたさを教え、救ってくれているのだ。
なんといっても、年を取っていても一応彼らも男だから、
男性に囲まれる女としてささやかな女王様気分を味あわせてもらえている事が、
せめてもの慰めになっている。
出勤前の朝とたまに仕事の帰りにも楽しむひと時。
今の私にとって大切な居場所なのである。