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薔薇色に変えて
第2章 寂しそうな客


その夜私は、軽い興奮に踊る心に睡眠を邪魔された。

興奮して眠れない・・
何年、いや十数年ぶりの事ではないだろうか。


昼間の出来事を一つづつ順を追って振り返る。

駅のホームであの男を見つけ、フラフラとした姿を目の前にして必死で腕にくらいつき、
唖然としたままの男を連れて薔薇色へ行き、
思い込みから生まれた勘違いの代償として高いコーヒーを飲まされ、
男の事情に心を揺さぶられた・・


人はそれぞれ違った人生を生きている。
良くも悪くも。
そのひとつひとつを受け止めながら生きている。


もしも・・もしもこういうオトコと出会っていたら、結婚していたら、
私の人生はどうなっていただろうか・・

飛躍しすぎた想像に自分を笑った。
いやね、私ったら・・


また来ると言っていた。
それが現実となりまた彼と話ができたなら・・
もっともっと話をしてみたい、と思った。




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