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薔薇色に変えて
第3章 再会に添えられた喜び

「ああ、村山さんお疲れさま。今日ね、あの人来たんだよ」

コーヒーだけにしようか、それとも夕飯もここで済ませてしまおうか・・
決めかねながらとりあえず喫茶・薔薇色の扉を開けると、
小此木さんが声を弾ませた。

「この前の・・あの人?よかった、この店を気にいってくれたのね」


とんでもない勘違い事件を起こしてから2週間。
また来ますとは言っていたが、はたして本当に来るだろうか、と
私は心の中をもやもやとさせていた。

また来てくれた・・
それは私が仕出かした無礼を許してくれたか目をつむってくれたか。
そのどちらにしてもとりあえずは嫌われなかったということだ。

「彼ね、村山さんにお礼の品を持ってきていてね。
 いつ会えるかわからないから渡してほしいと頼まれたんだけどさ、
 そのうち会えるから直接お渡しなさいって言っといたよ」

それを聞いて頬が熱るのを感じた。
男性が、それもまだ二度しか顔を合わせていない男性が、
私を気にかけてくれている・・
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