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薔薇色に変えて
第5章 思いがけない報告
変化なんかない。きっとない。
この10年、悪い事はなかったけど良い事だって無かった。
若さを失っただけが原因じゃない。
世の中へ飛び込んで新しい道を切り開くことができなかったからだ。
それこそが時間の無駄遣い。
迷って悩んでためらっている間に、無情に時は流れてしまったのだから・・
「村山さんは・・ご自分の歩いてきた過程を冷静に見ていらしたんですね。
決して悪い意味ではないですよ。
時間をうまく使えなかったという事をきちんと理解している・・
現実を見ることは大切なことですよ。
それができるのって、すごいことだと思います」
成沢さんの、褒めすぎだとも取れる言葉を私は素直に受け取った。
無駄に過ごしてきたと思っていた月日が、私を成長させてくれていたのかもしれない。
「今夜・・こうして村山さんとお話できてよかったです。楽しかったです。
これからは薔薇色のことや商店街のこととか、いろいろと教えてください。
よろしくお願いします」
あらたまった姿勢で頭を下げる成沢さんに、
「こちらこそ、これから薔薇色とマスターをよろしくお願いします」
と、父の様な存在の小此木さんと家族の茶の間の様な
「喫茶・薔薇色」の未来を託した。
この10年、悪い事はなかったけど良い事だって無かった。
若さを失っただけが原因じゃない。
世の中へ飛び込んで新しい道を切り開くことができなかったからだ。
それこそが時間の無駄遣い。
迷って悩んでためらっている間に、無情に時は流れてしまったのだから・・
「村山さんは・・ご自分の歩いてきた過程を冷静に見ていらしたんですね。
決して悪い意味ではないですよ。
時間をうまく使えなかったという事をきちんと理解している・・
現実を見ることは大切なことですよ。
それができるのって、すごいことだと思います」
成沢さんの、褒めすぎだとも取れる言葉を私は素直に受け取った。
無駄に過ごしてきたと思っていた月日が、私を成長させてくれていたのかもしれない。
「今夜・・こうして村山さんとお話できてよかったです。楽しかったです。
これからは薔薇色のことや商店街のこととか、いろいろと教えてください。
よろしくお願いします」
あらたまった姿勢で頭を下げる成沢さんに、
「こちらこそ、これから薔薇色とマスターをよろしくお願いします」
と、父の様な存在の小此木さんと家族の茶の間の様な
「喫茶・薔薇色」の未来を託した。