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薔薇色に変えて
第7章 突然あたえられた二人だけの時間
小此木さんは引き出しの中からゴソゴソと取り出したパンフレットを私の前に置いた。
横浜港の大桟橋には大きな船が寄港する。
外国からくる船もあるし、日本の港を巡って旅する船もある。
そう言えば、以前そんな話を奥さんとしていたのを思い出した。
「俺たちもさ、たまには一週間くらい羽根伸ばしてもいいよなってさ。
カミさんたちは事あるごとに婦人会のお食事会だの温泉旅行だのって行くんだから。
俺たちなんかもしかしたらこれが最初で最後の慰安旅行かもしれないんだから、
贅沢させてもらおうってな」
私が手に取ったパンフレットを横から覗きこみながら、桜井さんは嬉しそうな声を出した。
でも、最初で最後の、という言葉を行った時には、少し寂しそうだった。
「そうね、女性はなんだかんだ言って上手く遊んでるからね、
たまには男性陣も好きな事やったらいいんじゃない?」
元気に動き回れるうちにやりたい事をやっておかないと、
できなくなってから後悔しても遅いのだから。
一度きりの人生を楽しめるだけ楽しんでほしい。
この中でいちばん若い私だが、誰よりもそう悟っているつもりだ。
横浜港の大桟橋には大きな船が寄港する。
外国からくる船もあるし、日本の港を巡って旅する船もある。
そう言えば、以前そんな話を奥さんとしていたのを思い出した。
「俺たちもさ、たまには一週間くらい羽根伸ばしてもいいよなってさ。
カミさんたちは事あるごとに婦人会のお食事会だの温泉旅行だのって行くんだから。
俺たちなんかもしかしたらこれが最初で最後の慰安旅行かもしれないんだから、
贅沢させてもらおうってな」
私が手に取ったパンフレットを横から覗きこみながら、桜井さんは嬉しそうな声を出した。
でも、最初で最後の、という言葉を行った時には、少し寂しそうだった。
「そうね、女性はなんだかんだ言って上手く遊んでるからね、
たまには男性陣も好きな事やったらいいんじゃない?」
元気に動き回れるうちにやりたい事をやっておかないと、
できなくなってから後悔しても遅いのだから。
一度きりの人生を楽しめるだけ楽しんでほしい。
この中でいちばん若い私だが、誰よりもそう悟っているつもりだ。