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禁煙チュウ
第2章 戸惑う
「……なぁに意識してるんですかぁ」
「べべべ別にしてねぇよ」
石井がこらえきれないというように吹き出した。
「あはは! 宮田さんわかりやすい」
くそぉ。
「はい」
「!」
石井はひょいと俺の手を取りお釣りを握らせた。
ひんやりした、細い指が俺の手を支えている。
ゆっくり石井の顔が持ち上がる。
俺は動けない。
目が合う。何も言えない。
動けない、のか動かない、のか自分でもよく解らない。
石井の目が潤んで、何か言いたげに唇が開く。
でも何も言わないで、すっと笑うように目を細めると顎を上げて背伸びをした。
俺はまた、ただ近づいてくる石井の形のいい唇を見ていた。
「べべべ別にしてねぇよ」
石井がこらえきれないというように吹き出した。
「あはは! 宮田さんわかりやすい」
くそぉ。
「はい」
「!」
石井はひょいと俺の手を取りお釣りを握らせた。
ひんやりした、細い指が俺の手を支えている。
ゆっくり石井の顔が持ち上がる。
俺は動けない。
目が合う。何も言えない。
動けない、のか動かない、のか自分でもよく解らない。
石井の目が潤んで、何か言いたげに唇が開く。
でも何も言わないで、すっと笑うように目を細めると顎を上げて背伸びをした。
俺はまた、ただ近づいてくる石井の形のいい唇を見ていた。