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禁煙チュウ
第15章 ハッピー・エンド(?)
おつかいに店を出ると強い風が吹いてブルッと体が震えた。
マフラー店に置いてきちゃったな、と思うけど今頃きっとわたしの話になってるだろうから戻るのは恥ずかしい。
二人もだいぶお酒が進んでたし、ゆっくりめに行こう。
自分の恋愛ごとに他人に興味をもたれるって慣れない、というか今までは嫌だったけど、相手が宮田さんなら悪くない気がする。
夜の飲み屋街を歩きながら自分の顔が少し笑っているのに気付いた。
真中さんたちの相手をしながらこっちをちらっと気にする宮田さんの顔が浮かぶ。
心配と、恥ずかしさの混ざったような表情。
わたしの好きな、カウンターに立ってお酒を作る慣れた手つき。
お客さんを相手にする時の、ちょっと気を張った横顔。
伏せた睫毛が意外に長くてドキッとしたのはいつが最初だっただろう?
気付かない間に、「好き」はどんどんわたしのなかに降り積もって行ったんだ。
そんな事を考えながら歩いていたせいで、前からくる人に気付かなかった。
その人はすれ違うギリギリに立ち止まり、「ねぇ」とわたしを呼び止めた。
風が強くて、その人の長い髪が顔にかかる。
「啓の店の女の子よね?」
髪をかきあげたその人は、雪乃さんだった。
マフラー店に置いてきちゃったな、と思うけど今頃きっとわたしの話になってるだろうから戻るのは恥ずかしい。
二人もだいぶお酒が進んでたし、ゆっくりめに行こう。
自分の恋愛ごとに他人に興味をもたれるって慣れない、というか今までは嫌だったけど、相手が宮田さんなら悪くない気がする。
夜の飲み屋街を歩きながら自分の顔が少し笑っているのに気付いた。
真中さんたちの相手をしながらこっちをちらっと気にする宮田さんの顔が浮かぶ。
心配と、恥ずかしさの混ざったような表情。
わたしの好きな、カウンターに立ってお酒を作る慣れた手つき。
お客さんを相手にする時の、ちょっと気を張った横顔。
伏せた睫毛が意外に長くてドキッとしたのはいつが最初だっただろう?
気付かない間に、「好き」はどんどんわたしのなかに降り積もって行ったんだ。
そんな事を考えながら歩いていたせいで、前からくる人に気付かなかった。
その人はすれ違うギリギリに立ち止まり、「ねぇ」とわたしを呼び止めた。
風が強くて、その人の長い髪が顔にかかる。
「啓の店の女の子よね?」
髪をかきあげたその人は、雪乃さんだった。