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禁煙チュウ
第1章 はじまり
「えええ、ペースはや……」
わたしもなぜか追い付こうと一本目を慌ててあける。
苦みが口に広がって頬が冷たくなる。
宮田さんはまたブハーと言って2本目をあっというまにあけてしまった。
「あぁっ、タバコ吸いたい!」
そう叫ぶように言うとまたカウンターに伏せてしまった。
「しょうがないですね、宣言しちゃったし」
二本目に口をつけながら言うと、宮田さんが大きくため息をついた。
「ああ~、そうなんだよなああ。なんで客の前で言っちゃったかなあああ」
ふふふ、と思わず笑ってしまう。
「だいたいなんで禁煙しようと思ったんですか? けっこうヘビースモーカーでしたよね」
「……」
宮田さんは急にだんまり。
寝ちゃった? と思ったけど宮田さんがゴロンと顔を横向けて、うっすら目を開けた横顔が見えた。
わたしは返事を催促せずにビールを飲んでのんびり待つ。
二人とも何も言わないまま、わたしが2本目をあけた頃宮田さんがぽつりと言った。
「元カノが結婚したんだよ」
「え」
「あいつ、タバコ嫌いでさ。俺がタバコ吸うと部屋の窓開けて顔しかめてさ、それでケンカになったこともあってさ」
急な独白にわたしの思考が止まる。
元カノって、いつの話なんだろう。どんな人だったんだろう。っていうか宮田さんのその人のこと引きずってるっぽい口調に心臓がぎゅっとなる。
「相手はあいつのために禁煙したんだって聞いて、なんかわかんないけど俺だって、と思っちゃって……」
「そう、ですか……」
ドクドクと胸が鳴る。ビールのせいなのかなんなのか。
わたしもなぜか追い付こうと一本目を慌ててあける。
苦みが口に広がって頬が冷たくなる。
宮田さんはまたブハーと言って2本目をあっというまにあけてしまった。
「あぁっ、タバコ吸いたい!」
そう叫ぶように言うとまたカウンターに伏せてしまった。
「しょうがないですね、宣言しちゃったし」
二本目に口をつけながら言うと、宮田さんが大きくため息をついた。
「ああ~、そうなんだよなああ。なんで客の前で言っちゃったかなあああ」
ふふふ、と思わず笑ってしまう。
「だいたいなんで禁煙しようと思ったんですか? けっこうヘビースモーカーでしたよね」
「……」
宮田さんは急にだんまり。
寝ちゃった? と思ったけど宮田さんがゴロンと顔を横向けて、うっすら目を開けた横顔が見えた。
わたしは返事を催促せずにビールを飲んでのんびり待つ。
二人とも何も言わないまま、わたしが2本目をあけた頃宮田さんがぽつりと言った。
「元カノが結婚したんだよ」
「え」
「あいつ、タバコ嫌いでさ。俺がタバコ吸うと部屋の窓開けて顔しかめてさ、それでケンカになったこともあってさ」
急な独白にわたしの思考が止まる。
元カノって、いつの話なんだろう。どんな人だったんだろう。っていうか宮田さんのその人のこと引きずってるっぽい口調に心臓がぎゅっとなる。
「相手はあいつのために禁煙したんだって聞いて、なんかわかんないけど俺だって、と思っちゃって……」
「そう、ですか……」
ドクドクと胸が鳴る。ビールのせいなのかなんなのか。