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禁煙チュウ
第7章 お泊り
宮田さんはキッチンに向かって、わたしはソファに座る。
暖房を入れててくれたみたいで、暖かい風がエアコンから吹き出してきた。

焦茶の皮のソファはひんやりしてるけど、下の毛足の長いラグに足を滑らせるとほっとした。
カチャカチャと音がして宮田さんが戻ってくる。

マグカップにたっぷりのカフェラテ。
「どうぞ、っと」
隣に座ると思ったのに、宮田さんはラグにどかっと胡坐をかいた。

「いただきます」
美味しい。
しばらく無言でラテを飲んだ。
宮田さんはどことなく探るような目でこちらをチラチラ見てる。

「なんですか?」
「ん? いや、んー」
わしわしと頭をかく。
「温まった?」
「はい、落ち着きました」

うむ、と宮田さんは頷くと「ちょっと立って」と言って自分も立った。
「? はい」
素直に横に立つと宮田さんが見下ろしてくる。

「なんか小さくない?」
「え」
「背がいつもより、小さい」
「あぁ、いつもヒール履いてますから」
「ヒール」
宮田さんがおうむ返ししてくる。

確かにヒールを脱いで見上げると、宮田さんの顔が遠い。
いつもよりさらに宮田さんが覗き込むようにこっちを見てくる。
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