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禁煙チュウ
第9章 はじめて その2
ゆっくりとした長い長いキス。
「あー、キスいくらでもできる」
合間に宮田さんが呟く。

そうですね、と答える余裕もわたしにはない。
上半身は腕で支えているけれど、下半身がくっついて宮田さんの硬くなったのがずっと当たっている。
お腹同士がくっついて、荒くなっていく呼吸が直にわかる。
なにより宮田さんのするキスが今までで一番、もどかしい程に優しくて。
わたしはすっかり溶けてしまっていた。
心も、多分体も。

宮田さんの手がわたしの髪を、首を、肩を撫でる。
大きな手。そのまま少し下りれば胸の膨らみに触る。
だけど宮田さんの手は頬や耳をいたずらにくすぐってなかなか進まない。

わたしはただその動きに翻弄されるばかりで、今にも「早く、」と口走ってしまいそうだった。
自分の体がすごく熱くなっているのを、早く宮田さんに知ってほしい。……ような恥ずかしいような。

ふいに宮田さんの手が胸を通り越して腰のあたりを掴む。
「ん……」
自然に体がうねる。
「ほせーなぁ、石井」
じわじわとその手が脇腹を撫で上げる。

「やっ……ンっ!」
くすぐったいと抗議しようと思ったのに、直後に首筋に這わされた唇の感触に声が漏れた。
ちゅ、ちゅ、と音を立てたり強く吸い付いたり。
宮田さんの唇が、時々熱い舌が軽やかに愛撫する。

はぁ、と吐き出す自分の息が熱い。
ぎゅっと宮田さんの肩を握る。
心臓のドキドキがもうずっと大きくて怖い位。
気付かれてるのか考えたら余計に激しく鼓動が跳ねた。
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