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お兄ちゃんの代わり
第1章 失踪
敗北が決まった翌日。私は明日の入学式に向けて色々と準備しなきゃいけなかった。

会ったらクソ兄貴に1発お見舞いしてやらんと、気が済まないレベルだ。

部屋に行くと寮に行くためのものはあらかた揃っていた。

普段着とか必需品とか色々と詰め込まれたボストンバックは重くて。

これで殴りたい。なんて可愛いことをボヤく。

「心奏。それで殴るとか全く可愛くないわよ...」

あ、お母さんに聞かれてたらしく、痛いところをつつかれる。

「というか、制服はもう着た?サラシは?ウィッグは?」

矢継ぎ早に聞かれる質問にあたふたしながらとりあえず一言。

「トイレしてくる(真顔)」

「う、うん。いってらっしゃい?(汗)」

動揺気味のお母さんを置いて、1階のトイレに行く途中。

何故かお父さんに呼び止められた。

「少しいいか?」

「いいけど。お父さんが珍しいね?」

リビングの椅子に向かい合わせで座らされて、私のお父さんって強面だから、地味に圧迫面接みたいだなぁと、能天気なことを考えとく。

「...髪の毛は、切るのか?」

「え?」

「いや、だから。男の子みたいに切るつもりなのか?」

「切りたくないよ。私は。だからお母さんもウィッグ用意してくれてるじゃん。」

「あっ、それもそうだったな。ははは...」

そう。髪の毛だけは私は切りたくなかった。

せっかく伸ばしてきてたのに。

背中まで届く位のロングで。

引きこもりだからといって、髪の毛のケアだけは怠らなかった。

そんな沢山の思い出が詰まった髪の毛なのに!なんでお兄ちゃんのために切らないといけないのよ!!

「とりあえず、学園長は父さんの知り合いだから。話はつけといた。くれぐれもバレないようにするんだぞ?」

念押しのように言われた気がしたから。

「わかってるって!そんなヘマするわけ無いじゃん。」

自信満々に言い放った。

いや、それよりもトイレしたくて下に降りてきたのに!

またしてもお母さん同様、お父さんにもトイレ行きたいという旨を伝えてやっと開放され、ダッシュでトイレに向かった。

だから、お父さんのつぶやきなんて知るよしもない。

「お父さんは心配だよ...母さん同様可愛いって自覚はないわ、すぐ突っかかるわで...。本当は行かせたくないんだけどなぁ...」
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