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17歳の寄り道
第4章 【碧編】彷徨うココロ
「やだ、ゆっくりしてっ…」

激しさに耐えられず逃げ出そうとしたら、浅野君は急に腰を引き、私から離れるのと同時に、お腹の上には温かい何かが広がった。

「はあっ、はあっ、はあっ…」

浅野君は私の鎖骨に額をつけて、荒い息を整えている。
私はお腹の上にある浅野君の絶頂の証を指で弄んだ。

「うわ、何やってんだよきったねぇな…ティッシュで拭けよ」
と机上に置いてあるティッシュボックスを放り投げられる。

浅野君のなら、汚いとは思わないのに。

ティッシュできれいにお腹を拭いた。時計はもうすぐ19時。

「あ、帰らなきゃ…」
独り言のようにつぶやき、制服を着ていると、浅野君は私服に着替え出した。

「碧、門限19時なの?早くね?」
「んー、まぁ、そんなとこ」
「なんだよ。はっきりしねぇな」

浅野君にはまだ、義父の話はしていない。
突然仲良くなって、まだ数日しか経っていない。セックスは何度もしているが、会話という会話はあまりない…

「浅野君、週末どこ連れてってくれるの?」
「そりゃあふたりっきりになれるとこだろ」
「本当にエッチのことしか考えてないんだね…」
「は?そんな意味じゃねぇよ、碧こそ頭ん中そればっかりだな」

嘘…私の方がエッチなこと考えてたの?
ぶーっと吹き出したら、浅野君も笑った。

「バカだよなー、おもしれ」
「バカじゃないよ、普通だよ」

こんな感じの浅野君でも成績だけは優秀で、学年では10位ぐらいをキープしている。私はもう少し下のラインをうろうろ…

そうして、家を出て、ガレージで私の自転車に鍵を入れたら、浅野君がハンドルを取った。

「後ろ乗れよ」
「二人乗り?帰りはどうするの?」
「走って帰るよ。つうかまだ名字で呼ぶの?もういいんじゃねーの」

そう言いながら浅野君は、俯いて自転車の向きを変えている。

えーと、それは…名前で呼んでと言う…


「…遥?」


ドキドキしながら呼んでみたら、浅野君は何食わぬ顔で振り返る。

「おう。乗れよ、後ろ」
「うん…」

あんなに激しくエッチしたって、好きだなんて一言も言われていない。
浅野君の気持ちはわからない。

自転車に座って、後ろから浅野君を抱きしめた。
彼は私の腕を一度握ってから手を離し、静かにペダルを漕ぎ出す。

朝降った雨はすっかり上がっていて、薄暗くなった空はいつもより澄んでいた。
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