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17歳の寄り道
第43章 ラストシーン
あかりの姿を探す遥の横顔は、あの頃より精悍になり、年齢を重ねている。
もちろん私も同じだ。
「新入生、入場」
アナウンスとともに、ぞろぞろと入場してくるピカピカの高校1年生。
あかりが、私たちを見つけて、少しだけ口角を上げる。
心を許した人間にしか懐かないところや、クールな振る舞いは私似ではない。
「あかりはやっぱり遥似だね…」
「マジか。愛想ねえじゃん」
「八方美人じゃなくていいよ、大事な人に優しくできればいいんだよ」
「あー…入学してヘンな男にたぶらかされませんように…」
年頃の娘の身を案じる遥に吹き出す。
母も、そう思っていたのかなぁ…
ただひたすらに寂しがっていたあの頃の自分を慈しみながら、遥の隣にいられる奇跡に感謝した。
最愛の娘の未来が、どうか明るいものであるように。
ただそれだけを願いながら、桜吹雪の中、私と遥は娘の誇らしげな後ろ姿を見つめていた。
完
もちろん私も同じだ。
「新入生、入場」
アナウンスとともに、ぞろぞろと入場してくるピカピカの高校1年生。
あかりが、私たちを見つけて、少しだけ口角を上げる。
心を許した人間にしか懐かないところや、クールな振る舞いは私似ではない。
「あかりはやっぱり遥似だね…」
「マジか。愛想ねえじゃん」
「八方美人じゃなくていいよ、大事な人に優しくできればいいんだよ」
「あー…入学してヘンな男にたぶらかされませんように…」
年頃の娘の身を案じる遥に吹き出す。
母も、そう思っていたのかなぁ…
ただひたすらに寂しがっていたあの頃の自分を慈しみながら、遥の隣にいられる奇跡に感謝した。
最愛の娘の未来が、どうか明るいものであるように。
ただそれだけを願いながら、桜吹雪の中、私と遥は娘の誇らしげな後ろ姿を見つめていた。
完