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同棲中の彼とのセックスレスを解消したい!
第4章 秋雨
 あぁ、何をバカなことを考えているのかしら。『もしも』だなんて……。
 考えたって、答えは出てこないのに。考えるだけ無駄なのに。

 はじめに別れ話を切り出されたわけでも嫌いだと言われたわけでもないのに、自分の頭は途方もなく悪い方向へしか動かなくなってしまったようだった。

 彼はもしかしたら『そのとき』を伺っているのかもしれない。そんなふうにも考えて、悲しくなってやめた。
 彼を信じないということは、彼に対して失礼なことだ。そう思って、やめた。
 
 ほんとうに、どうしてこんなことになってしまったのかしら。
 彼のことが大好きで、大切に思っているのに……どうして身体はわたしのいうことを聞いてくれないの?

 ふいに、彼を失ったときの壺の痛みがよみがえったような気がした。
 ジンジンと突き刺すような痛み。
 昔のわたしたちはあんなにぴったりだったのに、どうして?

 寒い冬の日はくっついて寝た。彼がわたしの知らない歌をくちずさんでいたり、ふたりで好きなバンドの歌をうたったり……そうしながら、ただずっとくっついていた。
 それは、裸になってたくさんたくさん愛し合ったあとのこと。

 暑い夏の日は、ふたりとも汗をだらだらと流しながら愛し合った。部屋の中はエアコンがきいていて涼しいというのに。彼の耳の後ろに何度も唇を押し付け、何度も好きだと囁くように言った。彼もそうしてくれた。
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