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プールサイドの恋人
第5章 瀬川 恭平
ゴロゴロ…

プールサイドから外が光るのが見えた。

暗い雲、激しい雨。

雷苦手なのよねー…。

陽菜はレッスンが終わるとすぐ帰りたかったが

傘を忘れたのでしばらくスイミングスクールで

時間を潰すことにした。

ロビーにはコの字にソファーが置かれている。

スーツ姿の男性も1人座っていた。

陽菜はちょこんと1つ席をあけて座った。

「スゴイ雨ですね…。」

男性が声をかけてきた。

「そうですね…。

びしょ濡れですね大丈夫ですか?

よかったらこのタオル使って下さい。」

陽菜は愛想笑いで答える。

「いいんですか?助かります!ありがとうございます。」

「もしかしてハーフですか?」

「違います。よく間違われますけどね。」

「すいませんっ…」



グレーのスーツにネクタイを緩めて外す姿。

背が高いんだろうなー何センチかな?

緩いパーマのかかった前髪は少し長め。

ハーフにも見えそうな顔立ち。

男は陽菜からタオルを受け取ると濡れた髪を乾かした。

「家に帰ろうとして

さっきバスに乗ろうとしたら

満員だったので引き返してきたんです。」


「そうだったんですね。」

「引き返してよかったなぁー。

おかげで可愛らしい人に会えた。」

「ふふ…美人じゃなくてすみません。」

「褒めてるんですよ。」

わー、何かこの人正面から褒めてくるから

話にくいかも…。

バス停からスイミングスクールまで500メートルと

いったところか。

スイミングスクールの貸出用の傘も

余ることが多いが今日は全て使われていた。





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