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幼い獣たちは愛を知る
第3章 助けを求める
「ボルガさん」
 俺がマネージャーを呼ぶと、マネージャーのボルガ・マリャークさんがちらりと後部座席を振りむいた。ボルガさんは、薄い青の瞳に灰色の髪をした面長のイケメンだ。
「はい、どうしましたか?」
 こんなことを頼むのは初めてだ。この人が俺らの仕事をどう思ってるのか知らない。俺らに多少の情があることしか知らない。
「あの……アストンの薬抜くの手伝ってほしいんですけど」
 多分これ、理性が飛びきらなかったから抜けるのに時間がかかってる。アストンがボルガさんで安心できるかどうかははっきりとはわからないけど、俺だけで中途半端なままで終わるよりは賭けてみるべきだと思う。
「それはつまり……」
「カラダ貸してほしいんです」
 どう言うべきか、迷うよね。
「俺、もう撃ちすぎちゃったみたいで」
 ふむ、とボルガさんが考え込んだ。それはどうやって断るか悩んでいるようにも見えて、俺はボルガさんに特定の相手がいるかどうかの確認を先にした方が良かったかと身構えた。
 だけど、ボルガさんは、
「うまくできるかどうか自信はありませんが、君たちの役に立てるのなら努力しましょう」
 目に決意を込めて承諾してくれたんだ。俺は、もっと早くこの人に心を開いていればよかったのかもしれないって思った。かもしれない、だけど。




 支部に帰ってアストンをベッドに寝かせ、隣の部屋で俺とボルガさんは対策会議をする。
「まずあいつ、安心させてやりたいんです。安心して薬に身を任せた方が抜けるのも早いから」
「なるほど。善処しましょう」
「で、━━」
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