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セックスレス・快感と安息を求めて-
第8章 閑話・大きい男
世の中、小さいのも居れば、その逆もある。
毎度の事ながら『スナック・ジョイフル』で1人で飲んでいたら、小柄な男の人が1人……
この客は何度も見た事がある…
頻繁とは言わないけど、たまに見掛けるお客さん。
話し方も割と気さくで、でも少しだけ自慢話が入るのが玉に瑕‥そんな印象しか無い。
「・・でな、俺は部下に言ったんだ……」
ああ‥今日も始まっている、店の子を捕まえての自慢話…
そこは客対応、向こうもニッコリ笑って相打ちを打って‥やっぱ上手いなぁ……
ぶっちゃけ私は裏表が無い性格で、営業スマイルは苦手な方‥だから工場勤務なんて仕事を選んだ。
「鞠ちゃーん、今日も1人だ、旦那さんは?」
「ん?
仕事中……」
オヤジは今夜勤…
帰って来るのは昼間に近い時間。
だから暇して、こうして飲みに来ていたんだけど……
「相変わらず1人が多い」
「まあ‥向こうはあまり飲まないんで…
そういうケンジさんだって久しぶりに見た」
「仕事で内地出張だったから、帰って来たのは今月始め」
「そうなんだ」
北海道では、本州の事を『内地』と言う。
こんな風習が残っているのは、北海道と沖縄だけらしいって聞いた事はある。
私達に取っては、東京だろうが青森だろうが鹿児島だろうが、全部ひっくるめて『内地』であって場所は関係ない、それが北海道の当たり前。
良く言われる、北海道あるあるの1つってやつ。
「久しぶりだからビールでも奢るよ」
「へー
ケンジさん、内地で稼ぎ捲って来た?」
「まあ‥忙しかったかな、中々休みが取れないくらい仕事漬けだった」
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