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セックスレス・快感と安息を求めて-
第10章 閑話・一方的な男



久しぶりに1人で飲みに出た。


こっちの街に来てから1人は無い、それに伊藤さんの事もあるから、敢えて伊藤さんが行かない店をチョイス。



『スナック・カサブランカ』


少々古ぼけた感がある店、とは言ってもこの街の店の半分以上はこんな感じ。


田舎だから手直しもしないんだろう…
私的には飲めれば良いから、別に関係ないけど。


ママ1人の店…
年齢は高めの60代、でも逆に若いって可愛がってくれるし、居心地も悪くない。


何度か飲みに来てるが、一番怖いのがママの鬼注ぎ。


知らぬ顔してると、軽くボトル2本は行く…
流石に今の私では、そんなに飲んだらヘロヘロ。


途中で水を足して、知らん顔するのが当たり前になった頃、1人の若めの男性と知り合った。


どうやらママのお気に入りらしい、歳は私より上‥とはいっても30後半か40前半くらい。


比較的飲み人口の年齢が高いこの街では、私もその人も若い方に入るらしい。



「鞠ちゃん見た事無かったよね、コウちゃんっていうのよ」

「はじめまして…」

「おー
よろしくなー」


結構軽い感じ…
そして顔の作りは悪く無い方、こういうのってどうしても警戒してしまう、過去のトラウマってやつ。


コウさんは、かなりのお喋り、そして自分が言った事に自信があるタイプ。


という事で、飲むという名のガチトークに発展する事も……



「だから、なんでそうなるのよ!」

「俺は正しい事言っただけだぞ!」


話題はささやかなニュース、それが周りから見れば、喧嘩でもしてそうな雰囲気バリバリになる、当人同士はただ言い合っているだけという不思議な会話。



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