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第20章 積まれたテキストと兄達の苦悩

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「未由おはよう！昨日はごめんね」

「おはよう、奈月。大丈夫だった？」

「うん、あの後兄貴が帰ってきていきなり土下座だよ土下座！」

「ええっ」

「佑人から全部聞いた、俺が完全に誤解してたむしろ被害者なのにすまんって」

「あー・・・。本も私からねだったって言ってたらかな」

「マジで！佑人さん神すぎる。昨日の佑人さんすごい優しい声で丁寧にしゃべってて王子様かと思ったよ！別人すぎだよ」

「私もあそこまで沢山しゃべってるのは見たことないかったよ」

「家でもしゃべらないの？」

「うん、家でも外でもあんまり変わらないよ」

（ここ数日は割としゃべる気もするけれど）

「そんな人にあの本見られたかと思うと恥ずかしいわ・・・」

「えっ、そんなにすごい内容だったの？」

「まぁ割と・・・いやかなり？ってホント読んでないんだね」

「没収されちゃったからね」

（一体どんな内容だったのだろう、かなりって・・・）

「でも、参考になったって言ったということは佑人さん読んだってこと・・・？」

「あー・・・どうだろう・・・」

（完全に頭に入ったって言ってたから、読んでるよね）

「参考っていうのが意味深よね、あれを佑人さんが・・・キャー！」

（どれでしょうか・・・・）

勉強熱心な兄にも困ったものだ。

すでに、実践されていることに気づいていない未由だった。