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難問 -兄妹の領域境界-
第5章 命題の対偶
ふと、点と点がつながる。
あぁ、彼女を守るために色々なことに真摯に力を注いでいるのか。
佑人の力の源は彼女か。
腑に落ちた。が、一言佑人に言ってやりたい。
「シ・ス・コ・ン」
「お前には関係ねぇ」
おい、否定しないとかどんだけ真っ直ぐなんだよ、正直すぎるだろ。
見た目に反してあまりにも素直な友人の反応に、つい笑ってしまう。
「笑ってんじゃねぇ」
やっべ、こいつなんでこんなに可愛いんだ。
さらにツボに入った俺は笑いを止めることができない。
「ははっ、お前可愛いな」
「黙れ」
コンコンとノックに続き部屋のドアが開く。
大爆笑している俺を見て、彼女は驚いたように目を丸くしたが
「お茶です、よかったら飲んでくださいね」
と二つのグラスをテーブルに置き
「ん」
と律儀に返事をする佑人にさらに笑いが止まらなく俺と佑人をみて優しく微笑んで部屋を出て行った。
この日のあと、俺は佑人がどれだけ彼女を慈しんでいたかを知ることになる。
それはこの時想像したものをはるかに超えるものだった。
俺が立てている命題は真なのか。
真であれば、その対偶は成り立つはずである。
それがわかるのは、まだずっと先の未来だろう。
Fin
あぁ、彼女を守るために色々なことに真摯に力を注いでいるのか。
佑人の力の源は彼女か。
腑に落ちた。が、一言佑人に言ってやりたい。
「シ・ス・コ・ン」
「お前には関係ねぇ」
おい、否定しないとかどんだけ真っ直ぐなんだよ、正直すぎるだろ。
見た目に反してあまりにも素直な友人の反応に、つい笑ってしまう。
「笑ってんじゃねぇ」
やっべ、こいつなんでこんなに可愛いんだ。
さらにツボに入った俺は笑いを止めることができない。
「ははっ、お前可愛いな」
「黙れ」
コンコンとノックに続き部屋のドアが開く。
大爆笑している俺を見て、彼女は驚いたように目を丸くしたが
「お茶です、よかったら飲んでくださいね」
と二つのグラスをテーブルに置き
「ん」
と律儀に返事をする佑人にさらに笑いが止まらなく俺と佑人をみて優しく微笑んで部屋を出て行った。
この日のあと、俺は佑人がどれだけ彼女を慈しんでいたかを知ることになる。
それはこの時想像したものをはるかに超えるものだった。
俺が立てている命題は真なのか。
真であれば、その対偶は成り立つはずである。
それがわかるのは、まだずっと先の未来だろう。
Fin