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難問 -兄妹の領域境界-
第10章 変数の宣言と値の代入
「ちょっと遅くなっちゃったけど、未由の入学祝いね」
「おめでとう、未由」
「ありがとう、お母さんお父さん!」
「ほら、佑人もおめでとうくらい言ったら?」
未由が期待のまなざしで俺の方を見てくる。
親の前でそんな歯の浮いたような言葉いえるかよ・・・。
「その前に、俺への礼が先なんじゃないの?」
「あ・・・」
俺の言いたいことがわかったらしい。褒めてもらえると思って喜んでいた顔が曇る。
「お兄ちゃん、忙しいのにたくさん勉強見てくれてありがと・・・ね?」
「ドーイタシマシテ」
本当は充分そのお礼はしてもらったけどな。
両親の前では口が裂けても言えないが。
「うん、二人とも頑張ったな」
少し重くなった空気に、父親がフォローを入れる。
(・・・・あ、このタイミング)
「そういえば未由、いい加減その『お兄ちゃん』っていうのやめろ」
「えっ・・・」
父親のフォローで戻りつつあった未由の笑顔が凍り付き、同様に肩が震えうつむく。
まぁ、そういう反応になるよな。
そんな未由に気づきながらも、特に表情を変えず俺は話を続ける。
「いい年して勘弁しろ、大学であとから周りにいろいろ聞かれてめんどくさいんだよ」
急に未由を責めだす俺に両親もうろたえ始める。
「おめでとう、未由」
「ありがとう、お母さんお父さん!」
「ほら、佑人もおめでとうくらい言ったら?」
未由が期待のまなざしで俺の方を見てくる。
親の前でそんな歯の浮いたような言葉いえるかよ・・・。
「その前に、俺への礼が先なんじゃないの?」
「あ・・・」
俺の言いたいことがわかったらしい。褒めてもらえると思って喜んでいた顔が曇る。
「お兄ちゃん、忙しいのにたくさん勉強見てくれてありがと・・・ね?」
「ドーイタシマシテ」
本当は充分そのお礼はしてもらったけどな。
両親の前では口が裂けても言えないが。
「うん、二人とも頑張ったな」
少し重くなった空気に、父親がフォローを入れる。
(・・・・あ、このタイミング)
「そういえば未由、いい加減その『お兄ちゃん』っていうのやめろ」
「えっ・・・」
父親のフォローで戻りつつあった未由の笑顔が凍り付き、同様に肩が震えうつむく。
まぁ、そういう反応になるよな。
そんな未由に気づきながらも、特に表情を変えず俺は話を続ける。
「いい年して勘弁しろ、大学であとから周りにいろいろ聞かれてめんどくさいんだよ」
急に未由を責めだす俺に両親もうろたえ始める。